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むし歯治療で神経を温存する可能性を高めるために①

2017年2月22日

「う蝕検知液の使用」

 

下北沢井上デンタルクリニックのむし歯治療の特徴として

できるだけ神経を温存し、歯を長持ちさせることに全力を注ぐことが

あげられます。

 

そのため具体的な方法としてまず

「う蝕検知液の使用」

があります。

(う蝕とは専門用語でむし歯のことを言います)

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日本歯科薬品株式会社製のカリエスチェックという製品を当院では使用しており、

この薬剤はむし歯の部分のみを赤く染めるお薬で、非常に優れものです。

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(日本歯科薬品株式会社のHPより抜粋)

 

 

むし歯治療で大切なことは、健康な歯を削らないようにして悪いところのみを取り残しがないように選択的に

削ることにあります。

文字にするとすごく簡単なことのように思えますが、実際に細菌感染している部分がどこまで波及しているかは

我々歯科医師にとって経験上ある程度はわかりますが、正確には確認できません。

むし歯を発生させる細菌のサイズは平均3㎛前後ですので、見ただけでわからないのです。

 

この薬剤を当院では、どんなに大きなむし歯でも小さなむし歯でも前歯でも奥歯でも100%使用し、

しっかり取り残しがなく赤く染まっている部分がないかを逐一口腔内カメラで撮影し、

患者様と一緒にその場で必ず確認してもらいます。

またデータとして記録にも残しております。

 

自分としては健康な部分を削らずに悪い部分のみを慎重に除去したいので、この薬剤を染めてみて、染まった部分のみを削ってまた染めてという

単調な作業を一つの歯のむし歯治療に約平均10回前後繰り返しますので当院のむし歯治療には非常に時間がかかります。

 

健康な部分が少なくなるということは歯の強度にも直結し寿命にも影響しますので

患者様にはお口を大きくあいて頂く時間を頑張っていただきたいところですが、

短い治療時間を選ぶのか、時間をかけて健康な部分を極力削らないように上記のように慎重に治療するかは

患者様の希望にも添えますので、早く治療を終わらせたいだけの希望があればこのような薬剤を何回も染めるステップを省くこともできますので

術前におっしゃってください。

(私見ですがこのやり方以外で、むし歯の感染範囲を客観的に正確に把握できる手段が現段階ではないと考えているため、

このステップを省くことは当然むし歯の取り残し、再発のリスクを高めることになりますが・・・)

 

この薬剤が実用化されるまでは、むし歯治療は

主に図にもありますように、臨床感覚つまり歯科医師の削っている感覚で治療がされていました。

しかし、この方法だと、10人の先生がいれば10人の感覚がありますので、当然取り残しや削りすぎもでて、

かなりのズレが生じていることがわかります。

その結果深く削りすぎてしまい神経を除去する可能性も高まります。

自分が歯学部の学生時代にこの事実を知った時はびっくりしました。

歯の治療の基本の基本である、むし歯治療の根本が、感覚や主観で行われ、

客観性がないことに「そりゃないだろ」と突っ込みを入れたのを覚えています。

幸いなことに自分が歯科医師として治療をするときには、

この薬剤が先人たちの膨大な研究の英知により実用化されており

安心して治療ができるようになっていました。

 

治療を受けられる際に、歯科治療の基本であるむし歯をどのように判別して除去するかは、

かなり歯科医院によって特徴がありますので、

HP等でしっかり確認された方がよいと思います。

 

最後に繰り返しになりますが、当院ではむし歯治療の大原則である、「健康な歯のを削らないようにして悪い部分のみを除去する」

ためにこの染め出し液を標準治療として使用し、できるだけ神経の温存の可能性を高められるようにしています。

 

 

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