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歯周病の診断・治療の世界基準が変わります

2018年10月6日

患者様の歯を一本でも多く、そして長く残すことを

目標に治療をさせて頂いている下北沢井上デンタルクリニックです。

 

2018年6月にアメリカ歯周病学会会員向けに

「Classification of Periodontal and Peri-Implant Diseases and Conditions」

と題された冊子が配られました。

 

これは最新の世界中の研究の知見をもとに

著名な歯周病治療のDrが世界中から集まり、

世界基準での歯周病の分類や診断基準を策定したものです。

 

日本歯周病学会が治療指針として出しているガイドラインのベースは

1999年のArmitagaeの分類が基準になっておりますので

実に約20年ぶりの改訂となります。

(昨今の情報化社会のスピードから考えるとこのタームは

遅きに失した感はありますが・・・)

 

まだ日本歯周病学会から新基準に則ったガイドラインは出ていませんが

今回の改定ではいくつかの大きな改定がありました。

 

 

患者様にとって一番関係がある点は、

「治療により歯周病治療が成功し安定したとしても、

再発のリスクを抱えていることには変わらないため

治療上、二度と健全組織と同じに扱ってはならない」

ということが明文化されたことかと思います。

 

簡単に言うと体の免疫力と細菌感染の複雑な関係性の中で発症する歯周病は、

治療等で一時的に軽快してもそのバランスは簡単には崩れないということです。

 

日常臨床で治療後、短期間で再発症例を

多く経験する我々側からすると

至極当然のことなのですが、

歯周病には長期にわたる緊密なモニタリングが必要で

良くなったから、症状がなくなったから終わりではないということです。

 

また、今回の改訂で歯周病治療にも

がん治療と同じように病状のステージやグレード制が概念として採用された点も

真新しいかと思います。今後はそのステージ・グレードによって治療方法のエビデンスが蓄積され

より患者様お一人お一人にあったパーソナルな治療方法が提唱され

歯周病治療の精度が上がっていくものと思われます。

 

詳細な診断基準や分類の記載は、

専門性が高いので割愛致しましたが

歯周病治療の知見が世界レベルで集約され、正しい情報が社会に広まり

歯周病で歯を失う患者様が減るよう

最新の情報を取り入れ治療を実践してまいります。

 

 

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